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本と編集の総合企業SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS(SPBS)の公式noteです。SPBSからのお知らせやスタッフのインタビュー、イベントやスクールのレビューを投稿します。

マガジン

  • SPBS編集部「本が読めない」

    出版する本屋・SPBSの編集部メンバーによる連載「本が読めない」の記事をまとめています。毎週金曜日更新(間に合わない日もあるかもしれない)。交代で自由にゆるゆると、誰に語るでもないひとりごとを呟きます。

  • SPBSインタビュー

    SPBSの店舗や編集部のスタッフインタビューをまとめています。

  • SPBS THE SCHOOL

    SPBS THE SCHOOLは、あらゆるものごとを編集する企業・SPBSが主催し、“編集”を通して世の中を面白くする遊びと学びのラボラトリー(実験の場)です。

  • SPBS編集ワークショップ2023

    1冊の雑誌づくりを通して編集の醍醐味を体感する連続講座「SPBS編集ワークショップ 2023」の受講生によるレポートです。*アーカイブ受講生募集中!

  • イベントレポート

    これまでに開催したイベントやスクールのレポート記事をまとめています。

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最近の記事

体験から始まる足利旅

いつもどおりスマホの中に入っている地図アプリで、目的地までの行き方を調べた。旅行をするときは大抵そうしている。車は持っていないので公共交通機関でのルートを必然的に調べることになるのだが、東京都内から電車やバスに2〜3時間も揺られると関東圏のだいたいの場所には行けるのだなと、地方出身の僕はいつも驚く。 今回は「足利」と入力して、どのルート、乗り換えがよいかを探す。ここで気づいたのだが、最寄りには「足利駅」と「足利市駅」がある。どちらを到着地にしようか。迷いながら旅程を組み立て

    • ことばの近さや遠さについて

      物体や景色は、主に言語を介して連想されることが多い。もちろん断片的にはなってしまうけれども、言語はそれらに宿っている感覚的な情報をできるだけ近しく写し取る方がいい。「いい」というか、ことばを解体した際には、子音や母音の特徴、動かす口の様子、発声や発音における傾向等にその近しさが反映される、みたいなことが『言語の本質 ことばはどう生まれ、進化したか』(以下、『言語の本質』)に書かれていた。 たとえば、ある対象を写し取っていることばの「音」に注目してみると、音と意味の親和性を確

      • 【企画担当者に聞く!】なぜ、あらゆる職業に「編集的思考」が求められるのか。「編集のレッスン 第2期」アーカイブ受講間も無く締切

        🔼 第1回の水島七恵さんによるレクチャーパートの冒頭約15分を、11/30までの期間限定で特別公開中です! ──編集のレッスンは工藤さん肝入りの企画ということで、編集部も準備段階から横目で気合いを感じていました。今回は第2期ということですが、そもそもなぜ「編集のレッスン」が生まれたのか、講座を企画した経緯について教えてください。 工藤:最近の編集者の仕事って、「紙媒体やウェブメディアにおける編集を担当する」という従来の領域からだんだん広がってきている気がして、企業のブラン

        • ゆるっと新企画スタート。SPBSの編集部の連載「本が読めない」

          SPBSは企画編集会社。本を店舗で「売る」だけでなく、本を「作る」仕事もしています。   編集部ではSPBS創業当初から、奥渋谷の本店と地続きのガラスの奥の空間を拠点に、本や雑誌、ウェブメディアなどさまざまな媒体の編集を行なってきました。 コロナ禍以降はフルリモートとなり、メンバー同士顔を合わせることはめっきり少なくなりましたが、オンラインでコミュニケーションを取りながら、日々業務に取り組んでいます。 (最近は出社する機会も増え、対面で会議をしたり、ランチやお茶をしたりと、

        体験から始まる足利旅

        • ことばの近さや遠さについて

        • 【企画担当者に聞く!】なぜ、あらゆる職業に「編集的思考」が求められるのか。「編集のレッスン 第2期」アーカイブ受講間も無く締切

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        • from SPBSスタッフ
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          本屋による食の講座に参加したら、おいしいの辞書がつくれちゃう?!

           第1回は「旅する料理人」三上奈緒さんの講義。  完全に盲点でした。おいしいを考えるためにまずいを考えてみる。子どものまずいを本当にまずいのではないかと真に受けてみる。鳥や虫の眼差しでおいしいを眺めてみる。「当たり前って当たり前じゃないかもよ?」そう投げかける三上さんのおいしいは世間の当たり前を軽々と飛び越えて、でもとても腑に落ちる感覚がありました。  一番印象に残ったのは、まずかったものの話からの「食べもの自体の力が弱くなってきているのではないか? 食べても食べた気がし

          本屋による食の講座に参加したら、おいしいの辞書がつくれちゃう?!

          1人1冊の雑誌を、たくさんの人たちと作り上げていく

           2023年8月19日、編集のワークショップ第9回が開催されました。今回からは制作コース受講生のみが参加し、本格的に雑誌制作がスタート。  前半にゲスト講師の方の講義を、後半に課題へのフィードバックをいただいていた前回までと異なり、みんなで進捗を共有したり、SPBSの福井さんに1対1の面談のような形でアドバイスをいただいたりしました。  会場に一番乗りした私は、大きなテーブルの端っこに腰掛けました。入ってくる他の受講生にひとりずつ挨拶をしつつ準備をしていると「コーヒーの雑

          1人1冊の雑誌を、たくさんの人たちと作り上げていく

          「あなた」に手にして欲しい 雑誌デザインは読者と編集者を繋ぐコミュニケーションのはじまり

           第8回(2023年8月5日開催)のテーマは“デザイン② 本・雑誌に生命力を与える”。前回(第7回)の講義でもご登壇いただいたアートディレクター(以降、「AD」と略)の佐藤亜沙美さんをお迎えしました。最終回にふさわしい雑誌デザインについて、佐藤さんが手がけられた雑誌“文藝”リニューアル秘話を元に解説くださいました(2019年夏季号以降、佐藤さんがADとして携わられています)。  前半は佐藤さんによる講義、後半は雑誌制作コースの受講者の事前課題(作りたい雑誌の表紙デザイン)に

          「あなた」に手にして欲しい 雑誌デザインは読者と編集者を繋ぐコミュニケーションのはじまり

          デザインの役割は“生命力”を高めること? 雑誌を「死なせない」ために必要なのは“空気”

           7月22日、SPBS編集ワークショップ2023の第7回目が開催された。今回は、講師にデザイナーの佐藤亜沙美さんが迎えられ、テーマは「本と雑誌におけるデザインの役割とは」。前半は講義、後半はワークとして、受講生が実際に思考マップと呼ばれるシートに取り組む。  印象に残った佐藤さんの言葉が2つある。まず、「読者は、ごくごく飲みたい情報を欲しがっているはず」という言葉だ。何となく、植物に水が降り注ぐようなイメージが頭の中に浮かんだ。自然にあるけれど、どこにも引っかからず、すっと

          デザインの役割は“生命力”を高めること? 雑誌を「死なせない」ために必要なのは“空気”

          「どの現場にいても、自分の存在を肯定できる仕事」──編集者・水島七恵さんに訊く、編集の可能性と扱い方 後編

          ▼ 中編はこちら 自分との接点を見出す力を身につける ──「編集のレッスン」のナビゲーターを依頼された時、どんな心境でしたか? 水島さん:SPBSさんへの信頼があったのでうれしかったですし、光栄でした。私にとって、渋谷の雑踏を抜けて奥渋谷まで歩き、夜にふっとSPBS本店で自分の時間を過ごすのが日常の中の句読点でした。それに、SPBSさんは会社として「本と編集の総合企業」と謳っていらっしゃいます。企業の態度として「編集」を表現していらっしゃるから、そこに対して自分が力にな

          「どの現場にいても、自分の存在を肯定できる仕事」──編集者・水島七恵さんに訊く、編集の可能性と扱い方 後編

          「編集とは、要素と要素のあいだをつなぐ技術」──編集者・水島七恵さんに訊く、編集の定義と仕事への向き合い方 中編

          ▼ 前編はこちら ──「編集とは、どんな仕事なのか」がよく分からない人は多いかと思います。水島さんのホームページには「文脈を立ち上げること」と書かれていますが、どのように編集観を掴んできましたか? 水島さん:20代の頃は「〇〇に会いたい」「私はこれが面白い」というような自分の欲望がそのまま取材や企画に直結していましたが、やはり編集業はそれだけでは成り立たないんですよね。編集を自分主体として捉えていたものが、「編集とは、要素と要素のあいだをつなぐ技術」と考えるようになって、

          「編集とは、要素と要素のあいだをつなぐ技術」──編集者・水島七恵さんに訊く、編集の定義と仕事への向き合い方 中編

          「ヴィジュアル系バンドから宇宙科学に至るまで」──編集者・水島七恵さんに訊く、仕事の原点とあゆみ 前編

          ヴィジュアル系バンドにハマり、音楽の仕事を志した学生時代 ──さっそくですが、水島さんが編集の仕事に就くきっかけや原点を聞かせていただけますか? 水島さん:原点は10代にさかのぼりますが、私は音楽と雑誌が大好きでした。実は当時、アトピー性皮膚炎によって肌がすごく荒れていたことをきっかけにいじめにあっていたので、学校に居場所がなかったんです。それでも仲の良かった友だちが好きなバンドをオススメしてくれて、音楽に夢中になっていきました。 ──音楽が心の支えになったんですね。

          「ヴィジュアル系バンドから宇宙科学に至るまで」──編集者・水島七恵さんに訊く、仕事の原点とあゆみ 前編

          書く、寝かせる、読み直す 書き手と読み手をつなぐ記事づくり

           2023年7月8日の編集のワークショップ第6回は、文筆家の佐久間裕美子さんをお迎えしての開催。本ワークショップにおいて、最初で、おそらく最後のオンラインでの講義ということもあり、いつもと違った新鮮な気持ちでお話を聞くことができました。  前半は佐久間さんご自身の経験を交えながら講義をしていただきました。「原稿への向き合い方」がテーマでしたが、企画を立ち上げるところから取材の計画、実際に記事を書くときに考えていることなど、幅広く実践的なお話をしてくださいました。  特に印

          書く、寝かせる、読み直す 書き手と読み手をつなぐ記事づくり

          世界はタイトルであふれている!? さまざまな言葉でアナタを誘う、タイトルの戦略

           SPBS編集ワークショップ2023の第5回(2023年6月24日開催)のテーマは“タイトル・見出しの極意”。講師は本ワークショップの主催元・SPBS代表の福井盛太さんでした。  講座に先立ち、福井さんからの自己紹介がありました。編集者としてのキャリアのスタートから、フリーランスを経て、SPBSの立ち上げまで。またご自身のご病気についてもお話しくださいました。初対面の私たちにもご病気についてお話ししてくださり、編集者として何事にも真摯に向き合うお人柄に触れることができました

          世界はタイトルであふれている!? さまざまな言葉でアナタを誘う、タイトルの戦略

          対話とインタビュー 文字で知る、話すことで知る、わたしとあなたのこと

           6月10日、SPBS編集ワークショップ2023の第4回目が開催された。講師は、「me and you」の竹中万季さん、野村由芽さん。前半はインタビューの奥義、話を聞くことをテーマに、お2人からお話をいただき、後半は事前課題の取材依頼書を用いた公開インタビューが行われた。  「インタビューの依頼書は、ラブレター」。講義の中で印書に残った言葉だ。とてもキュートな言い回しだが、素敵なラブレターを書くというのは大変なことなのだと、今回の講義で改めて知る。ただ、あなたのことが大好き

          対話とインタビュー 文字で知る、話すことで知る、わたしとあなたのこと

          雑誌作り=お弁当作り!? 読者を想うコンテンツ制作のススメ

           2023年5月27日、編集ワークショップ第3回は、編集者の花井優太さん、平岩壮悟さん、西山萌さんを講師にお迎えして開催されました。テーマは「雑誌コンテンツは多様」。3名もの講師の方がいらしてくださったこともあって頭がパンクしそうになりながらも、夢中でメモをとりながらお話を聞かせていただきました。  前半の講義では、お三方それぞれが、ご自身の雑誌に対する考え方をお話してくださいました。「雑誌」を定義づけるところから始まり、編集者としての心構えや、実際に企画を作る際の切り込み

          雑誌作り=お弁当作り!? 読者を想うコンテンツ制作のススメ

          自分が読みたい雑誌を作り続けて10年、『仕事文脈』の制作過程を学ぶ

           第2回、note記事担当はアシスタント受講生のやがいです。講義の感想や会場の空気感をレポートします。  SPBS編集ワークショップ2023の第2回(2023年5月13日開催)のテーマは“どんな雑誌を、なぜ作りたいのか?(コンセプト/台割)”。講師はタバブックス代表の宮川真紀さんでした。前半は、タバブックス発行の雑誌『仕事文脈』の企画書(創刊号および最新21号)を元に製作過程をご紹介いただき、後半は宮川さんから雑誌制作コース*参加者の事前課題に対してコメントいただきました。

          自分が読みたい雑誌を作り続けて10年、『仕事文脈』の制作過程を学ぶ