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SPBS編集部「本が読めない」

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出版する本屋・SPBSの編集部メンバーによる連載です。毎週金曜日更新(間に合わない日もあるかもしれない)。交代で自由にゆるゆると、誰に語るでもないひとりごとを呟きます。
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記事一覧

水の音が聴こえる盛岡の街で

2時間10分だった。 東京駅を9時36分に出発し、はやぶさ13号に乗って11時46分に着いたのは盛岡…

SPBS
11日前
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いつも心に中村慎森

先日、29歳の誕生日を迎えた。 誕生日や新年が訪れるたびに聞かれる質問の中で、いつも答えに…

SPBS
3週間前
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『虎に翼』世代の女子たちが夢中になって読んでいた、昭和5年のお宝雑誌を発掘

今期の朝ドラ『虎に翼』が、とてもおもしろい。 さまざまな場面で苦労を強いられる、強いられ…

SPBS
1か月前
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夏恒例! 浅草で本好きが踊り狂い、財布は軽くなった(BOOK MARKET記録)

夏の浅草の恒例、アノニマ・スタジオさん主催の「BOOK MARKET」。本のつくり手が集い、自慢の…

SPBS
2か月前
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いつの時代も憧憬の地となって

2022年のゴールデンウィークは、福島県を回ってみたいと考えた。結果からお伝えすると、東京駅…

SPBS
2か月前
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敗者に光が当たるとき──忘れられない銀メダル

 勝ち方を身につけることは、簡単ではない。けれども、それよりはるかに難しいのは、負け方、…

SPBS
3か月前
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体系に回収されない言葉

編集の仕事をしていると、制作する誌面や記事において、文章の正確性や論理の整合性などをしっかりと確認しなければならない機会が多い。事実にそぐわない内容を盛り込んだ記事をつくったり、インタビューをした相手の本来の意図や心理とは異なる表現をしたりしてしまわないよう細心の注意をはらい、関係者とのできるだけ正確なコミュニケーションを心がけて意思疎通をはかる。 仕事でそのような正しい情報や論理の文章に触れていると、基本的に文章というものはそれしか許されないものなんじゃないかと思ってしま

待ち時間

家から坂の麓に降りてちょっとだけ歩いたところに、踏切がある。   これが本当に鬱陶しくて、…

SPBS
4か月前
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自然と歴史への感銘。そして今を捉える。

1日のはじまりはロープウェーから その日は姫路駅や姫路城より北に位置している、書寫山圓教…

SPBS
4か月前
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虎に翼を、私に言葉を。「自分を曲げない」ということ。

(ネタバレが含まれますので未視聴の方はご注意ください) NHK朝ドラ『虎に翼』に毎週毎朝、…

SPBS
5か月前
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庭のような場づくり

週に一度、SPBSのメディア事業部内のメンバーで30分ほど対話の時間を設けている。対話のテーマ…

SPBS
5か月前
33

沈丁花の香りで思い出す亡き母とその母のこと

通りすがりにどこからともなく漂ってくる、甘酸っぱい華やかな香りを感じると、あぁ、またこの…

SPBS
7か月前
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伊豆の聖地で写真フォルダが茶一色になった

毎年、新春に楽しみにしているニュースがある。 「カピバラ長風呂対決」の結果である。 全国…

SPBS
8か月前
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寒さを吹き飛ばす、癒やしの⾷事をおでん屋で

島根県松江市にある、おでん屋さんに訪れたのは2022年が明けてからすぐだった。少しずつ新しい感染症の対策も緩和されてきたころでもあり、僕はその前の年の瀬から名古屋を⽪切りにそのまま太平洋沿いを三重、和歌山と進んだ後も、⼤阪、岡⼭を過ぎて年始には出雲⼤社を訪れた。 道中、神⼾で宿泊したゲストハウスのオーナーさんが「ぜひ⾏ってみて」と教えてくれたのが、松江駅の近くにあるというおでん屋さん・おでん庄助だった。いいことを聞いたぞ。ありがとう、オーナー。おいしいものを求める旅行はおお