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「書く」の手前にある「聞く」に意識を向けながら、これからの批評を考える。【批評ワークショップ企画者インタビュー:後編】
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あやふやな対話の効用──ゲスト選定や講座の運営で意識したことはありましたか。
加藤:批評活動の最前線で活躍されているゲストの8名は、ナビゲーターの水上さんからアドバイスをいただきながら決めました。その中でも、クィア批評やフェミニズム批評の観点から研究を行ったり、ものを書いたりしている人たちをお呼びしたことは特に意識したところでもあります。昔から存在していたにもかかわらず「メイ
誰もが批評を手に取ることができる文化をつくるために。【批評ワークショップ企画者インタビュー:前編】
これまでの批評が取りこぼしてきたもの──加藤さんは昔から批評に触れていたのでしょうか。
加藤:学生の頃から、映画や演劇、漫画、アニメなどを対象としたものを中心に批評に触れていましたが、実は途中からあまり楽しめなくなって離れてしまった時期がありました。当時はいわゆる「ゼロ年代批評」と呼ばれるものの勢いが強かったのですが、そうした批評を中心として、当時の批評にどこか閉鎖的なムードを感じていたからだ