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SPBSインタビュー

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SPBSの店舗や編集部のスタッフインタビューをまとめています。
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#企画

自分一人だけの表現から、他者と生み出す一冊へ。【歌集編集ワークショップ[第2期] 企画者インタビュー:前編】

偶然からの挑戦──「歌集編集ワークショップ」を企画した背景を教えてください。 北村:僕も鈴木さんも短歌を詠んだり歌集を作ったりした経験はなくて、最近書店で歌集が盛り上がっていることを知っていたくらいでした。歌集の世界がどのようなものなのか、そこまで分かっていなかったんですよね。 「歌集編集ワークショップ」の企画は、2023年に実施した〈SPBS BOOKTALK FESTIVAL〉で、枡野浩一さん、穂村弘さん、くどうれいんさんをお招きした「ブックデザイン自慢合戦 〜考え

「書く」の手前にある「聞く」に意識を向けながら、これからの批評を考える。【批評ワークショップ企画者インタビュー:後編】

▼ 前編はこちら あやふやな対話の効用──ゲスト選定や講座の運営で意識したことはありましたか。 加藤:批評活動の最前線で活躍されているゲストの8名は、ナビゲーターの水上さんからアドバイスをいただきながら決めました。その中でも、クィア批評やフェミニズム批評の観点から研究を行ったり、ものを書いたりしている人たちをお呼びしたことは特に意識したところでもあります。昔から存在していたにもかかわらず「メインではない」「マジョリティではない」とラベリングされたものについて、改めて学ぶ機

誰もが批評を手に取ることができる文化をつくるために。【批評ワークショップ企画者インタビュー:前編】

これまでの批評が取りこぼしてきたもの──加藤さんは昔から批評に触れていたのでしょうか。 加藤:学生の頃から、映画や演劇、漫画、アニメなどを対象としたものを中心に批評に触れていましたが、実は途中からあまり楽しめなくなって離れてしまった時期がありました。当時はいわゆる「ゼロ年代批評」と呼ばれるものの勢いが強かったのですが、そうした批評を中心として、当時の批評にどこか閉鎖的なムードを感じていたからだと思います。 例えば、西洋の思想家による批評的な視座や言葉を集めて、いかに複雑

【企画担当者に聞く!】なぜ、あらゆる職業に「編集的思考」が求められるのか。「編集のレッスン 第2期」アーカイブ受講間も無く締切

🔼 第1回の水島七恵さんによるレクチャーパートの冒頭約15分を、11/30までの期間限定で特別公開中です! ──編集のレッスンは工藤さん肝入りの企画ということで、編集部も準備段階から横目で気合いを感じていました。今回は第2期ということですが、そもそもなぜ「編集のレッスン」が生まれたのか、講座を企画した経緯について教えてください。 工藤:最近の編集者の仕事って、「紙媒体やウェブメディアにおける編集を担当する」という従来の領域からだんだん広がってきている気がして、企業のブラン