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【企画担当者に聞く!】なぜ、あらゆる職業に「編集的思考」が求められるのか。「編集のレッスン 第2期」アーカイブ受講間も無く締切

🔼 第1回の水島七恵さんによるレクチャーパートの冒頭約15分を、11/30までの期間限定で特別公開中です!

「“編集“はライフスキルである」として、さまざまな形の”編集“をケーススタディで学ぶ連続講座「編集のレッスン」。第2期のオンライン受講受付が間も無く締切となります。AI時代に果敢に“編集”という仕事を追求すべく、本講座を企画したSPBSメディア事業部企画営業チーム・工藤眞平に、企画化までの経緯や講座の見どころを聞きました。

──編集のレッスンは工藤さん肝入りの企画ということで、編集部も準備段階から横目で気合いを感じていました。今回は第2期ということですが、そもそもなぜ「編集のレッスン」が生まれたのか、講座を企画した経緯について教えてください。

工藤:最近の編集者の仕事って、「紙媒体やウェブメディアにおける編集を担当する」という従来の領域からだんだん広がってきている気がして、企業のブランディングを手伝ったり、地域の場づくりに協力したりしている人が増えているんですよ。

そのような状況を踏まえて、なぜ編集者は従来の編集の仕事から拡張していろいろな領域の仕事ができるのか? という疑問が生まれました。

そこで、「編集ワークショップ」のように実際に雑誌を制作する講座とは別に、編集の仕事以外にも応用できる、編集者ならではの物事の見方や企画の実現の仕方、つまり“編集的思考”を学ぶ講座を作れないか、と考えたことが「編集のレッスン」の出発点です。

──第2期ではナビゲーターを編集者の水島七恵さんに担当していただきました。ゲストの職種も幅広いですね。

工藤:水島さんをナビゲーターにした理由は、一つは第1期のナビゲーター・柴田隆寛さんとは異なる編集観を持った編集者だったこと、もう一つは、私たちでは思いもよらないゲストのキャスティングをしてくれるんじゃないか、という期待があったからです。

水島さんは普段からさまざまな職業の人と仕事をしていますが、1つのトピックに対して分野が全く異なる人たちを組み合わせている印象がありました。

たとえば、水島さんが企画・編集ディレクション・執筆を担当されたJAXAの機関紙『JAXA’s』では、超音速機の爆音抑制について研究しているJAXAの研究員と音楽家の対談を「心地よい音、心地よくない音」というテーマで企画していました。

今回、「編集のレッスン」第2期ナビゲーターを務めさせていただくにあたって、私は編集のダイナミズムを大切にしたいと考えました。その前提に立ってお声がけさせていただいたゲストの皆様は、それぞれ優れた文脈の設計者であり、解読者でもあります。

水島さんは編集という行為を「要素と要素の間をつなぐ技術」と定義した上で、今回のゲスト選定についてこのように記していました。
その結果、デザイナー、料理家、宇宙工学者、作曲家、映像作家と、普通の編集を学ぶ講座では考えられないゲストが揃いました。

※第2期のゲスト講師陣。左から順に、宮前義之さん [A-POC ABLE ISSEY MIYAKEデザイナー]、小桧山聡子さん [山フーズ主宰]、津田雄一さん [JAXA宇宙科学研究所教授・はやぶさ2拡張ミッションチームリーダー]、阿部 海太郎さん [作曲家]、中村佑子さん [映像作家]

──「要素と要素の間をつなぐ」という技術は、あらゆるビジネスの現場で活かせそうな気がします。

工藤:一見すると縁遠いと感じてしまう複数の対象を、それぞれつぶさに観察してコンテクストを編み直すことで、受け取り手側のこれまでの視点の更新を助けながら新しい世界の発見へと誘う、そんな水島さんのセンスと編集観が存分に発揮された、唯一無二のカリキュラムになったと思います。

──企画者として、講座で印象に残っているシーンはありますか?
 
工藤:水島さんの編集観はいい意味で抽象度が高くて、そのことが参加者からの質問を後押ししたことです。差し出されたものに余白があることで、参加者は話を聞きながらそれを自分の活動や仕事に引きつけて考える余力というか、自分なりに解釈し直す時間ができて、結果としてディスカッションの活性化につながった手応えがありました。
 
個人的なハイライトは、第3回で山フーズ主宰の小桧山聡子さんをゲストにお招きした回です。レクチャーの後、小桧山さんが作ってきたお菓子を食べて、「甘い」「辛い」「美味しい」など、よくある言葉を使わずに食べた感想を話す、というワークを行いました。

実際のお菓子は、甘みや酸味が混ざり、風味や食感が独特なものでしたが、触感を忠実に伝える人や、口に入れた時に思い出された風景を説明する人など表現方法がいくつもあって、とても印象的でした。
 
体験として楽しいだけでなく、「甘い」「辛い」「美味しい」など、既存の言葉の“あいだ”にある感覚を言葉にすることは、編集的思考の実践的なトレーニングになったと思います。水島さじんは「人生みたい……!」とおっしゃっていました(笑)。


実際にワークで使われたお菓子。

──この講座はアーカイブ受講が可能ですが、どのような人たちにお薦めしたいですか?

工藤:一言で言うと「自分の中の編集的思考を磨きたい人」でしょうか。
最初にお伝えした編集の拡張性は、裏を返せば、いわゆる編集者ではなくても編集的思考は誰もが持っている、ということにつながると考えています。今回受講してくださった方も、編集に関連した職業の方だけでなく、都市計画、造園、幼児教育に関わる方など多種多様です。

なので、職種や肩書きでお薦めの人をくくることは難しいですが、今期のキーワードだった「編集とは要素と要素の間をつなぐ技術」という言葉にピンときたら、受講を検討してほしいなと思います。

*アーカイブ視聴コースは11月30日(木)12時まで受付中!

◆水島七恵さんのインタビューも是非ご覧ください。

 
◆Webマガジン「AXIS」に「編集のレッスン〈第2期〉」をご紹介いただきました!


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