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“泊まれる出版社”真鶴出版と「小さな宿」のつくりかたを学ぶ新講座、はじめます!

こんにちは! SPBSでイベントや講座・ワークショップの企画運営をしている工藤です。

いま僕が開講に向けて準備を進めているのが、10月1日(土)スタートの新講座、〈地域を読み解き、まちの日常に光をあてる「小さな宿のつくりかた」〉です。“泊まれる出版社”真鶴出版の川口瞬さんとともに、「小さな宿」にまつわる、物件選びのこと、運営のこと、お金のことなどを全6回を通して学びます。

・地域に根ざした宿をつくりたい
・現在運営している業態・場所に、宿泊機能を付け加えたい
・宿を起点とした地域活性、地方創生に関心がある

こんな思いを持っている方が参加してくれることを期待しています。

このnoteでは、なぜ書店であるSPBSが宿のつくりかたを学ぶ講座を実施するのかと、当講座の魅力について書いていきます。最後まで読んでいただけるとうれしいです!

そもそも、SPBS THE SCHOOLとは?

SPBS THE SCHOOLは、あらゆるものごとを編集する企業・SPBSが主催し、“編集”を通して世の中を面白くする遊びと学びのラボラトリー(実験の場)です。

これまでに「移動式本屋のはじめかた」「写真集のすすめ」「銭湯の編集術」「都市生活者のための農的生き方講座」など、いろいろな講座やワークショップを実施してきました。

すべての講座に共通していることが2つあります。

一つめは、編集的(または編集者的)な視点が学べること。

SPBS THE SCHOOLは、「決まったノウハウを教えます」「こうすれば成功します」などの「答え」を得られる場ではありません。「編集的である」ということは、言い換えれば自分自身で考えること。当たり前のこともよく観察し、読み解き直し、光の当てかたを変えてみる──そんな編集的視点でものごとを捉え直す力を、講師や他の受講者と関わる中で身につけていきます。僕たちは、講座を通じて受講者のみなさんが自分なりのスタイルを見出してもらえるよう、一つ一つの企画を考えています。

二つめは、同じ志をもつ仲間たちと出会えること。

SPBS THE SCHOOLでは、受講者同士はもちろん、できる限り講師と受講者もフラットな対話ができる場づくりをしています。教える・教わるという二つに分かれた関係性ではなく、講師も受講者も車座になって話しているようなシーンをつくりたい、そう考えながら運営しています。実際に過去の講座でも、講義当日の交流のほかに講師を含めたSlackを通じた意見交換があったり、雑談会や交流会などのイベントが行われたりしています。講座の期間が終わっても、つながっているメンバーもたくさんいます。

何をするにも「正解のない時代」と言われる現在。編集的視点と、それを持った仲間たちがいることは、とても心強いことだと思います。

なぜ宿の講座をやるか

「小さな宿」の講座を企画したい、と思ったのは、SPBSの仕事の中で、とあるホテルの選書を担当したとき。クライアントから、「旅行や宿泊業はコロナ以降大きく変わっていて、これからどうなるかはまだ誰にもわからないと言われています」という話を聞いたことがきっかけです。

誰にもわからないこと=答えがないこと。
こういうところにこそ、編集的な視点で新しい取り組みをしている人たちがいるはず。そう考えて、早速リサーチを進めていきました。

すると、大きな観光地ではない小さなまちで、古い建物を改装したり、本屋さんや雑貨屋さんなどの既存の業態に宿泊機能を追加したりした“小さな宿”が増えており、それぞれの地域で存在感を持っていることがわかってきました。

中でもひときわ存在感を放っていたのが「真鶴出版」です。
真鶴出版とは、2015年に神奈川県・真鶴町にオープンした“泊まれる出版社”です。代表の川口瞬さんが元SPBSのインターンということもあり、真鶴出版の存在は認知していたのですが、ここ数年で、真鶴を訪れた、真鶴に面白い人が集まっている、という声を仕事でもプライベートの場でも聞く機会が増えたように感じていました。


そこで改めて真鶴出版についての本『小さな泊まれる出版社』を読み、彼らの取り組みを知っていくと、真鶴出版をつくっていく過程がまさに編集的なプロセスをたどっていることがわかりました。

歩いて地域を観察し、目立たないけど素敵なところに光を当て、その過程で仲間を増やしていくこと。こんなプロセスでつくられた小さな宿について、宿を実際につくりたい人や、編集的思考を身につけたい人とともに僕自身も学んでみたいと思い、企画を始めました。

川口さんとコンタクトを取り、一緒に講座を実施したいとご提案したところ、快くお引き受けくださり「小さな宿のつくりかた」を開講することになったのです。

2015年4月に真鶴に移住。「泊まれる出版社」をコンセプトに、紙やウェブ媒体はもちろん、宿という“場”もメディアとして捉え、まちと人をつなぐ活動をしている。真鶴に関連する書籍のほか、佐賀県嬉野市を舞台にした『うれしいお茶』や、地域に根差す人々を取材する雑誌『日常』なども制作を担当。宿泊ゲストには1~2時間一緒に町を歩いて案内する「町歩き」をつけており、普通に来ただけではわからない真鶴の魅力を紹介している。


「小さな宿のつくりかた」のこと

その名の通り「小さな宿をつくりたい」と考えている方に向けた講座です。宿をはじめるにあたって知っておきたいリアルな数字の話、地域との向き合い方、どうすればいい物件にめぐり会えるか、そして宿を実際はじめてから待っていること……。

真鶴出版・川口瞬さんのナビゲートのもの、地域に根ざしたカフェの運営者、リノベーションのプロ、建築家、マイクロホテルのオーナーといった領域横断的なゲストとの対話と、各回で提出される課題(予定)や参加者同士のディスカッションを通じて、地域に根ざした「小さな宿」のつくりかたを実践的に学んでいきます。

▼カリキュラム
第1回 10月1日(土)13:00-16:00
「まちに根ざした宿をつくる ──真鶴出版ができるまで」 
ナビゲーター:川口瞬さん(真鶴出版)

第2回 10月8日(土)9:30-12:30
「地域を読み解く ──東長崎を事例に」 
ゲスト:アリソン理恵さん(MIA MIA/ARA)

第3回 10月22日(土)9:30-12:30
「物件を探す ──宿があるまちを考えよう」 
ゲスト:大島芳彦さん(株式会社ブルースタジオ クリエイティブディレクター)

第4回 11月5日(土)9:30-12:30
「設計する ──地域になじむ建築とは?」 
ゲスト:冨永美保さん(tomito architecture)

第5回 11月19日(土)9:30-12:30
「宿をはじめる ──小さな宿のリアルな日常」 
ゲスト:飯田圭さん(OKAZAKI Micro Hotel ANGLEオーナー)

第6回 12月3日(土)未定
「小さな宿をはじめよう ──プラン発表会」

実践的にしっかり学びたい方、同じ目標を持つ仲間との交流を楽しみたい方には、リアルタイムで参加いただける【Aコース】がおすすめです。ナビゲーターの川口さんやゲストに直接質問できたり、講義以外の時間でもSlackグループを使った受講者同士での交流や、任意参加の雑談会にもご参加いただけます。SPBS THE SCHOOLの醍醐味が体感できる定番のコースです。

どうしても時間帯が合わない方には【Bコース】をご用意しています。第1回~第5回の講師とゲストのレクチャー部分の録画映像(60-90分程度)と、第6回の発表会を配信にてご視聴いただけるコースです。課題の提出やSlackグループへの参加などはございません。

▼詳細はこちら


さいごに

先日実施したガイダンスで、川口さんに「宿の運営の魅力はどんなところですか?」と聞いたら、川口さんからこんな答えが返ってきました。

「場をつくれることかなと思います。宿は地域にくさびを打つというか、場ができることによってまちの入り口になったり、そこに人が集まってきたりする、そういう場をつくれることがやりがいだし、楽しいです。あとは、自分が外に行かなくてもいろんな人が来てくれるので、毎日旅行しているような気分になれますね(笑)」

真鶴出版の存在を知ってから、自分の頭の中の地図上で「真鶴」という土地がぱっと光ったような感覚があったことを思い出します。そうやってまちに光を当てる「小さな宿」を、この講座を受講された方が開いてくれたら、こんなにうれしいことはありません。

お申し込みは9月末まで受け付けています。多くの方のご参加をお待ちしております!

▼企画担当・工藤のインタビュー記事はこちら

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