自分が読みたい雑誌を作り続けて10年、『仕事文脈』の制作過程を学ぶ
第2回、note記事担当はアシスタント受講生のやがいです。講義の感想や会場の空気感をレポートします。
SPBS編集ワークショップ2023の第2回(2023年5月13日開催)のテーマは“どんな雑誌を、なぜ作りたいのか?(コンセプト/台割)”。講師はタバブックス代表の宮川真紀さんでした。前半は、タバブックス発行の雑誌『仕事文脈』の企画書(創刊号および最新21号)を元に製作過程をご紹介いただき、後半は宮川さんから雑誌制作コース*参加者の事前課題に対してコメントいただきました。
本ワークショップは、講義前に必ず事前課題があります。今回の課題が大変でした。各自が制作したい雑誌の企画書(タイトル、コンセプト、目次、ターゲット)の作成。私の頭の中ではやりたいことは無限に広がっているのですが、いざ頭の中から出そうとすると何も書けない。とにかく思いを文字にすることを続けて、GWの休みを費やし、何とか提出しました。思いを文字にして他人に伝える難しさと、発行されている雑誌の偉大さとをひしひしと感じました。
今回の講義は、宮川さんとSPBSの鈴木さんとの対話形式で進んでいきました。『仕事文脈』の企画は、宮川さんの「知りたい」「世の中には私と同じでこういう情報が欲しい人はいるはず」との思いからスタートされたそうです。世の中の雑誌には、素敵な暮らしをしている人や自分らしく生きている人、バリバリ働いている人が紹介されていたけど、その人たちはどんな仕事をして日々の生活を営んでいるのか。それが宮川さんの「知りたい」でした。自分が読みたい雑誌がないから作ろう、が21号まで続いている『仕事文脈』の原点です。
一般には公開されていない『仕事文脈』の企画書を拝見しながら、雑誌制作の工程を学びました。講義の最後に、宮川さんから編集は正解がない世界だということがわかっていただけたのでは? と、お話しされたのが印象的でした。
後半は、雑誌制作コースの参加者13名の事前課題である企画書について一人ひとり発表し、宮川さんからの感想やアドバイス、コメントをいただきました。各企画書からは本ワークショップに対する熱い思いを感じ、それに対する宮川さんの真摯な回答、他のメンバーへのフィードバックさえもすべてを吸収したいという受講者の熱気で会場は熱くなりました。宮川さんは、「皆さんのプレゼンを聞いてようやく何を伝えたいかわかったが、企画書だけだとわかりにくかった」とコメントされたのですが、言葉のキャッチボールで補足が可能な会話とは違い、文章だけで情報を伝えきる難しさを痛感しました。
私の企画に対する宮川さんのコメントは、「モヤモヤしていることを表すのは難しい。タイトルのつけ方を含めてもう少し内容を明確にした方が良い。たくさんの情報を盛り込み過ぎると、読者がどこに連れて行かれちゃうのか? と、印象を持つので本当に伝えたいことを絞って制作した方が良いと思う」とのことでした。より良い雑誌にするために再考しようと思います。
最後に、今回の講義での学びおよび各企画書に対する感想をグループで共有しました。
本ワークショップに集まって来たメンバーの年齢やバックグラウンドはさまざまで、作成内容ももちろん全員違う。雑誌の完成がますます楽しみになりました。より多くの人々に我々の雑誌を手に取ってもらえるように、さらに本ワークショップで雑誌作りについて深く学んでいきます。
アシスタント受講生 やがい
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