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サウナビルダー×サウナマニア×施設支配人によるサウナの講座、はじめます!

こんにちは、SPBS THE SCOOLの北村です。

現在、2月26日(日)から新しく始まるSPBS THE SCHOOLの新企画【「GEEK OUT SAUNA」~サウナギークから学び、“良いサウナ”を探求し再構築するための連続講座】の準備を進めています。

タイトルだけでピンときた方、かなりのサウナ好きでしょう(笑)

この記事では、なぜ本屋のSPBSでサウナをテーマにした講座を実施するのか、この講座で何を学ぶことができるのかについて書いていきたいと思います。

SPBS THE SCHOOLとは

SPBS THE SCHOOLは、あらゆるものごとを編集する企業・SPBSが主催し、“編集”を通して世の中を面白くする遊びと学びのラボラトリー(実験の場)です。

“編集”といっても本や雑誌をつくる技術としての編集を想像して、馴染みがないと思う方が多いかもしれません。しかし、実は人は日々編集しながら生活しています。

数ある選択肢の中から取捨選択することや、異質な物を掛け合わせ新しいものを生み出すことを”編集”という営みとして捉えてみると、普段から目にするモノ、コト、人の中に編集を感じることができるのではないでしょうか。

例えば、スマートフォンの中やご自身の部屋の中に、あなたの編集からなるものがきっとあるはずです。

SPBS THE SCHOOLでは、これまでもいろいろなテーマについて編集的な視点で捉え直す講座やワークショップを実施してきました。


なぜサウナの講座をやるのか


まず、企画者の自分自身がサウナが大好きだからです。

ブームになる以前からお風呂屋さんが好きで、若い頃、激務で心身ともに酷使するような働き方をしてきたこともあり、銭湯サウナで身体を労わる時間が自分にとって不可欠になっていました。

さかのぼること16年前、スーパー銭湯の中のサウナ室に温冷浴についての貼り紙があり、そこにはサウナと水風呂を交互に入ることで免疫力が強くなると記されていました。体調を崩すのは自己責任、体調管理がなっていないからだ。当時の新自由主義的な価値観、体育会的な風潮の中、強くならねばの一心でチャレンジしていました。

当時は「休憩」という工程は広まっていなかったので、サウナと水風呂をひたすら往復するなかで、気管がスース―する不思議な身体感覚の変化をおもしろがっていたのを覚えています。その後確かに風邪を引きにくくなり、何より入浴後の爽快感がぐんと上がりました。水風呂の存在理由を知ったのもその時です。それからというものサウナと水風呂に積極的に入るようになっていきます。

そして2017年ごろからタナカカツキ先生の「サ道」をきっかけにしてサウナブームが巻き起こりました。当時自分がおもしろがっていた身体感覚の変化は「ととのう」と言語化され、皆がそれを追い求めるようになっていきます。

サウナ→水風呂→休憩というルーティンが認知されたことで、これまでのおじさんの我慢比べのようなイメージが払拭され、ウェルネスや美容など、これまでとは真逆のイメージが定着していったように思います。

やがて、全国で個性豊かなサウナ施設がメディアで取り上げられるようになり、新しいサウナ体験を求めにサウナを目的とした旅行に興じる人々も目立ち始めました。

僕自身もその一人で、いろいろなサウナに赴くなかで一つとして同じサウナが存在しないことに気づきました。

照明や香り、視覚的なアプローチ、定番のルーティンのなかに垣間見える工夫や異文化との掛け合わせからなる化学反応は、僕が“良い”と思う施設ほど顕著に感じられます。

さまざまな手段から取捨選択し、異質なものを掛け合わせて新しいものを生み出すこと。

これはまさに、編集的思考に通じます。そこで、SPBS THE SCHOOLでサウナをテーマに講座を開講したいと考えました。

その間も、サウナブームはとどまるどころか加速していて、現在でも毎月のように新しいイベントが開催され、サウナを開業したい人に向けた講座も数多く存在しています。

経営ノウハウを学び、現実的なアウトプットを目的とするものがすでに存在しているなか、本と編集の総合企業であるSPBSらしくサウナを扱うにはどうしたら良いのか──サウナ施設の編集的要素に着目し、それを掘り下げる内容にできれば、経営ノウハウよりも重要な何かを学べる講座にできるのではないかと考えました。

GEEK OUT SAUNAについて


「GEEK」とは“オタク”のこと。「GEEK OUT」=夢中になるという意味です。

好きなことがわからない、という人が昨今増えていると聞きます。何かを行うにも成果に対して直線的かつ効率的であることが良しとされ、好きかどうかは二の次であり、成果のために必要なことを受動的に行う。そんな風潮のなか、「夢中になる」ということは自身の意志を超えて物事を行う行為であり、超越したクリエイションや唯一無二のオリジナリティはそこから生まれるのなのではないかと感じています。

当企画はGEEK OUTにサウナ運営やサウナ活動に勤しむサウナギークな3人をナビゲーターにお迎えします。

野田クラクションべべーさん/〈The Sauna〉支配人
東京都世田谷区出身。 東京のWeb制作会社の株式会社LIGに入社後、アメリカ横断、日本一周を達成。 2018年に信濃町に移住し、クラウドファンディングで支援を集め「The Sauna」をオープン。 サウナを通して、サウナー(サウナ好きの人)を増やす活動を行っている。
Saunologyさん/サウナ考察ブロガー
サウナについて調べ、考え、まとめるブログの主宰者。知れば知るほど、サウナにはまだまだ謎があり、その謎を解き明かしていくために、サウナについて様々な角度から考察してサウナ理解を深めるブログは、サウナギークたちをうならせている。
吉田健(よしだ・けん)さん/錦糸町〈ニューウィング〉支配人
長崎県出身。温浴施設などで経験を積んだ後、2004年から錦糸町ニューウィングで働き始める。2012年に支配人に就任。その日の天候や混雑具合を計算して毎日調整を行うサウナセッティングのプロとして、サウナ―からの支持が厚く、独自の視点と革新的なアイデアでサウナ業界を牽引する名支配人。猫がすき。


 サウナビルダー×サウナマニア×施設支配人という異色の組み合わせで、“良いサウナ”の要素を因数分解して深掘りしていく全6回の連続講座です。

お三方が本気で “良いサウナ”について語り合うのは初めてであり、それぞれ異なる観点からサウナと向き合ってきたお三方だけあり、三者三様の考えが交わりあって生まれる化学反応が楽しみです。

これからサウナをつくりたい方は自分にとっての“良いサウナ”を改めて考え、サウナ観をアップデートしていくきっかけとして、温浴施設に従事している方や、サウナ業界に関わっていきたい方は、ナビゲーターの3人の知見から日々変化していくことや続けていくことの大切さなど運営に関わる視点を得る場として、多くの学びがあるのではないでしょうか。


さいごに

今のサウナブームに対して、常軌を逸していると思うことも多々あります。

毎月のように趣向を凝らした新しい施設ができてくれることは、サウナの良さを知り、足繫く通い始めたかつての自分が夢想していたことでもあり、素晴らしいことだと思います。

その一方、ブームの中で“良い”とされるサウナがテンプレ化してきたこともあり、要点だけ押さえた思い入れを感じない施設も目につくようになりました。

流行りものにはつきもののようにも思いますが、持続することを目的としていない店が増えることでブームの成れの果てが想像できてしまうのは、昨今のさまざまな流行を思い浮かべるとたやすいのではないでしょうか。

個人的には“良いサウナ”が増えてほしいと思っています。

“良いサウナ”と一口にいってもサウナ好きほど言語化が難しく、それぞれが胸の内で思い描いている理想があるはずなのに、最終的には人それぞれとしてしまいがちです。いちユーザーとしてならば、それでよいのかもしれません。しかし、サウナを差し出す側に立つとなると話は別です。“良さ”をテンプレ化してしまうことは探求の終わりを意味します。

ブームが佳境な今だからこそ、一度立ち止まり真剣に考える場をつくりたい。ブームはいったいどこまで行けば文化になるのか。海外由来のものをローカライズすることに長けた日本の発想が本家のサウナを驚かせ、さまざまなものを巻き込み次のフェーズに進もうとしています。

これからできるサウナが誇るべきものとして後世に残るように、サウナギークが集うことで、きっかけをつくることができればいいなと思います。

現地参加コース、特典付きアーカイブコースのお申し込みは明日2/22まで!みなさんの参加をお待ちしております!


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