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雑誌作り=お弁当作り!? 読者を想うコンテンツ制作のススメ

「SPBS編集ワークショップ2023」の様子がリアルに伝わる、アシスタント受講生のレポート第3弾をお届けします。

 2023年5月27日、編集ワークショップ第3回は、編集者の花井優太さん、平岩壮悟さん、西山萌さんを講師にお迎えして開催されました。テーマは「雑誌コンテンツは多様」。3名もの講師の方がいらしてくださったこともあって頭がパンクしそうになりながらも、夢中でメモをとりながらお話を聞かせていただきました。

(左から)平岩壮悟さん、花井優太さん、西山萌さん

 前半の講義では、お三方それぞれが、ご自身の雑誌に対する考え方をお話してくださいました。「雑誌」を定義づけるところから始まり、編集者としての心構えや、実際に企画を作る際の切り込み方など、盛りだくさんな内容で進んでいきました。

 「栄養バランスや味、彩りはどうか? 時間がたって、冷めてもおいしく食べられるか?」花井さんが雑誌をお弁当に例えておっしゃっていた言葉に目から鱗が。お弁当とは、自分の好きなおかずばかりを詰め込むのではなく、食べるひと、食べる状況を想像して作るもの。雑誌を制作する際のポイントとしてこれまで全ての回で挙がっていた「読み手のことを考える」という、私にとっていちばんの難所に思えていたことが、途端に身近であたたかく感じられるようになりました。

 後半のワークショップでは、受講生がお気に入りの特集を持ち寄り、その特徴や好きなポイントを発表。各々がその記事を「おいしい」と感じた理由もさまざまで、発表の場そのものがまるで大きなお弁当箱の中のよう。講師のお三方からはフィードバックとして、実際に該当の記事を作っている「中の人」の目線で、それらのおもしろさや、おそらくこのように作られたのではないかという制作過程についてお話いただきました。読者は知り得ない驚きの裏事情が浮かび上がってくることも。そんな話には、まるでレシピには載っていない隠し味をこっそり教えてもらったような高揚感がありました。私がただただ素敵だと思いながら受け取っていた記事は、作り手の綿密な準備と数多の決断の賜物なのだとわかり、企画を編むことがぐっと現実的なものになりました。

 編集のワークショップを通して、私たちは調理器具や火の使い方を学んでいます。どんな食材をどう料理するか、どう箱に詰めるかは私たち次第。私が作った雑誌を手に取ってくれるひとのために、思わず箸を伸ばしたくなるような編集を。読み終わった後も長くそのひとの身となる記事を。丁寧に下拵えをしなければと身が引き締まる思いがしました。

アシスタント受講生 むらい

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